横浜市港南区港南台2丁目の港南台かもめ団地の一室で12日、キャリーバッグの中からこの部屋に住む女性=当時(86)とみられる遺体が見つかった事件で、県警捜査1課と港南署は14日、死体遺棄の疑いで、同居する長男(49)を逮捕した。「母親が自宅でなくなり、誰にも相談できず悩んで遺体を隠した」などと供述、容疑を認めている。
逮捕容疑は、今年3月ごろ、自宅で遺体をキャリーバッグに入れて遺棄した、としている。
県警によると、遺体は12日午前10時5分ごろ、家賃の滞納があったため訪れた横浜地裁の男性執行官が発見した。同容疑者と連絡が取れなくなっていたが、13日夜、捜査員が同市中区内の漫画喫茶で見つけた。少なくとも3カ月分の家賃を滞納しており、「金に困っていた」と供述している。
部屋は2DKで、キャリーバッグは4畳半の和室に置かれていた。周辺には複数の芳香剤も置かれていたという。遺体に目立った外傷はなく、部屋も荒らされた形跡はなかった。県警は今後、遺体の身元の確認を急ぐとともに、女性が死亡した経緯などについて捜査する方針。