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その後のシールズ(4)
時代の正体〈212〉想像し現実変えよう 

社会 | 神奈川新聞 | 2015年10月29日(木) 09:26

SEALDsの活動を語る千葉さん(左)と奥田さん =25日、法政大外濠校舎
SEALDsの活動を語る千葉さん(左)と奥田さん =25日、法政大外濠校舎

  「なめるなよ」のひと言に会場がどよめいた。安全保障関連法に反対する学者の会とSEALDs(シールズ)が共催したシンポジウム。壇上、憲法学の権威、東大名誉教授の樋口陽一さんは上品な語り口そのままに言った。

  「なめるなよという声を若い人たちのシュプレヒコールで耳にしました。大事なことです。誇りを持ちましょうという意味を込めたなめんなよという精神が、危うげになった日本社会の知性の品性というものをつくるでしょう」

  かつての自民党ブレーン、憲法審査会で安保法案を「違憲」と断じて時の人となった慶応大名誉教授の小林節さんは「空気は変わっている。野党が議席を取り返せば、すべてが変わる」とぶち、喝采を浴びた。

  続いてマイクを握った明治大大学院1年、千葉泰真さんは「そうそうたる学者の方々の後で恐縮しています」と苦笑しつつ、臆する様子もなく語り始めた。

 ここにいらっしゃる憲法について生涯をかけて研究してきた学者の方々が、安倍政権に強い憤りを覚えているのと同じ感覚が僕の中にあります。政治とは主権者が主語となる行為です。主体は政権を取り、権力を握ったつもりでいる個人ではありません。国民不在の政治という言葉がありますが、この国には正当な手続きによる誠実な政治が不在なのではないでしょうか。

 現在とは過去の上にあり、未来へつながっている場所です。この国の戦後70年の歩みとは、再び戦場へ国民を送らないという先人の願いであり、未来への誓いです。一政権がいたずらにないがしろにすることは許されません。

 民主主義って何だ、と僕らが叫んでいた問いの答えをこの夏、見つけました。だるいと思っていた政治の話を、面倒と思っていた投票で意思を示すことの大切さを、よく分からないけど大事だねという感じでしかなかった民主主義や立憲主義の理念を、日本社会は見詰め直しています。

 つえを片手に憲法を守れと叫ぶ老夫婦、会社帰りに抗議行動に参加するスーツ姿のサラリーマン、地方の小さな町で開かれた小さな抗議集会、おしゃれをしながら渋谷でデモをする学生、子どもの手を引き一緒に行進する母親、やっと研究室から出てきた学者、誰に指示されたわけでも見返りを求めるわけでもなく自らの意思で路上に立った、主権者としての強い意思を持つ彼らにこの国の民主主義の未来を感じずにいられません。

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