全国の国公私立の小学校が2014年度に把握したいじめが、前年度から3973件増の12万2721件で過去最多だったことが27日、文部科学省の問題行動調査で分かった。小中高校など全体では2254件増の18万8057件。岩手県矢巾町(やはばちょう)で今年7月に中学2年男子生徒がいじめを苦に自殺したとみられる問題を受け、教育委員会や学校に再調査を求めたところ、当初の集計より全体で約3万件増えた。
県内で2014年度に把握されたいじめ件数は、小中高と特別支援学校を含めた全体で6944件。件数では全国7位(前年度は8位)だが、千人あたり件数は7・5件で全国平均の13・7件を下回り、全国31位(同21位)だった。
また公立・私立を合わせた数字では、小学校のいじめ件数は前年度から46件減って4092件。中学校も417件減の2423件だった。高校では67件増の330件、特別支援学校では24件増の75件だった。
当初の調査では公立の場合、前年比974件減の5845件と報告されていたが、再調査で634件増えた結果、340件の減少にとどまった。私立も同様に79件減の394件が再調査で、32件減の441件となった。いずれも「ごく初期の小さな事案や調査時に解決済みのものを丁寧に拾ったための増加」と県教育委員会はみている。
「重大事態」は、公立小・中・高で計14件(私立は該当なし)。うち「生命、身体または財産に重大な被害」の疑いのある事例は3件だが、県教委によれば生命にかかわるものではないという。残り11件は「いじめにより相当の期間学校を欠席」という事例だった。