
綾瀬市は10月から、高齢者の就労を支援する新たな取り組みを始めた。就職相談から採用試験の準備まで一貫して対応し、定年後も現役で活躍したいシニア世代と、経験豊富な人材を求める企業との橋渡し役を目指す。
高齢介護課に開設された窓口では、カウンセラーが希望職種を聞き取り、求人開拓員が集めた求人情報を相談者に提供する。
カウンセラーは、履歴書の書き方や模擬面接にも対応。開拓員はハローワークに登録された情報だけでなく、市内の企業を中心に直接訪問し、さまざまな職種の新鮮な求人情報を探す。
市は2015年度予算に200万円を計上し、市シルバー人材センターに運営を委託。16年末までに20人の採用を目指している。
こうした支援事業は、14年12月に横浜市金沢区内に相談窓口を開設した同市に次ぎ、県内で2例目。千葉、福岡県でも先行して取り組まれている。
綾瀬市内の65歳以上の高齢者は2万1484人(9月現在)。団塊の世代が75歳以上になる25年は、2万2452人で高齢化率は27・6%になると見込まれている。一方で市の意識調査によると、40~64歳の3人に1人が定年後も働きたいと答えた。
退職後に資格を取得し、福祉業への就職を希望する男性(65)は「ハローワークより手厚い支援で心強い」と言う。カウンセラーの小林繁紀さん(71)は「できるだけ良い条件の勤め口を紹介したい」と話した。
相談は予約制で、平日午前9時~午後5時。対象は60歳以上の市民。問い合わせは、市高齢介護課電話0467(77)1111、内線2121。