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北方領土「友好の島に」 県内中高生11人が視察

社会 | 神奈川新聞 | 2015年10月14日(水) 12:31

日ロ中間ラインの洋上から北方領土の一つ、国後島(左奥)を目の当たりにして近さに驚く生徒ら=11日、北海道羅臼町沖
日ロ中間ラインの洋上から北方領土の一つ、国後島(左奥)を目の当たりにして近さに驚く生徒ら=11日、北海道羅臼町沖

 戦後70年にわたって日ロ両国間に横たわる北方領土問題。返還運動の歴史や現状について理解を深めようと、県内の中高生11人が10~12日、北海道東部の根室市や羅臼町を訪れ、国後島や歯舞群島を眺めたほか、かつて島で暮らしていた住民から望郷の思いを聴き取った。「私たちにできることは何か」-。生徒らは等身大の問題として、日ロ最大の懸案に真正面から向き合った。

 研修視察は、北方領土返還要求運動神奈川県民会議(主管・県北方領土問題教育者会議)の主催で、今年が3回目。県教育者会議が今夏実施した作文コンクールで入賞した中学生8人と高校生3人が参加した。

 「ビザなし交流で多くのロシア人が訪れるが、心の中ではまだ許すことができない」。研修初日、羅臼町の宿泊施設で、歯舞・多楽島で暮らしていた「語り部」の一人、高岡唯一さん(80)が講演の途中で語気を強めた。10歳の時、ソ連軍の急襲に遭い、真夜中の海を小舟で根室まで逃れた。以来、約30キロ先の島々を眺め続けている。高岡さんは「われわれの故郷を取り戻すために返還活動に協力してほしい」と語り掛けた。横浜市立荏田南中2年の増原珠樹さん(14)は「誰にとっても故郷は大切なもの。それはロシア人も同じ。共存する道はないのか」と話した。

元島民の思い、国後島遠望・・・

 研修2日目。午前8時半に羅臼港を出航した船は30分後、港から10キロ超の日ロ中間ラインで止まった。北方領土との事実上の“国境”だ。最初は山の形がうっすら見える程度だったが、地表の色まではっきり見てとれた。「手が届きそうなくらい近いのに、ここから先には行けない。何が国境を決めているのか」。県立横浜栄高1年の長谷部雄太さん(16)はつぶやいた。

 戦後70年がたち、北方領土4島の元島民の平均年齢は80歳を超え、人口も約1万7千人から約6千人にまで減っている。記憶の風化や返還運動をどう次世代に引き継ぐかが課題になっている。研修を終えて長谷部さんは言う。「(自分自身の)答えはまだ見つかっていない。知ることが解決に向けた一歩になるはず。これからも考え続けたい」


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