成年後見人として管理していた口座から現金1千万円を着服したとして、業務上横領の罪に問われた元県議で行政書士の軽部和夫被告(64)=横浜市南区=の初公判が8日、横浜地裁(鬼沢友直裁判官)で開かれた。同被告は「全額を自分のために使ったわけではない」と述べ、弁護側は「不法領得の意思はない」と起訴内容を否認した。
検察側は冒頭陳述で、遊興費を捻出するため、犯行に及んだと指摘。依頼人の葬儀費用や後見人報酬などにも充てたが、「スナック代や住宅ローン返済、活動費に使用した」と述べた。
弁護側も冒頭陳述を行い、相続問題を避ける目的で依頼人の葬儀費用などとして現金を振り込んだと説明。残金は依頼人側に精算済みとし、「はじめから横領する意思はなかった」と主張した。
起訴状によると、同被告は2013年3月と14年1月、成年後見人として財産を管理していた男性2人の口座から、各500万円を自らの口座に振り込んで横領した、とされる。
同被告は11年4月の県議選に旧みんなの党(昨年11月解党)から立候補して初当選し、今年4月の県議選で落選した。