
都内にある文化会館の一室、畳の上に敷かれたマットを囲み15人の女
性が座る。
母となって働くことをテーマに語り合うワークショップ「NECワーキングマザーサロン」。育児休業中や出産後に復職した女性たちの輪の中心でスタッフの藤居料実(かずみ)さん(31)が切り出した。
「私も2児の母。職場に復帰した後、時間の制約がある中で思うような仕事ができず、モヤモヤしていた。『私は何のために、子どもを保育園に預けてまで働いているのだろう』と。このサロンに参加し、多くの女性が同じように悩んでいることを知った」
参加者の一人が口を開いた。
「早めに出社し、決められた時間に子どものお迎えに行かなくてはいけない。『もっとこの仕事をしたいのに』と不満を持っている自分がいる。職場に復帰してから常にイライラしていて、夫に当たり散らしている」
短時間勤務で働いているという別の参加者もつぶやいた。
「10年も働いてきたのに『こんな簡単な仕事しか任せてもらえないのか』と内心、怒りと悲しみでいっぱい」
職場の理解がないわけではない。「でも、なぜ私だけこんな思いをしているんだろう、と」