
日本列島は1日夜から2日にかけて、急速に発達した「爆弾低気圧」が日本海を北上し、広範囲で非常に強い風が吹き、大雨となった。影響は県内にも及び、箱根登山鉄道が架線への倒木などで朝から運休。川崎市川崎区では、風にあおられて転倒した80代の女性が脚を負傷した。
箱根登山鉄道は2日午前5時半ごろ、箱根町宮ノ下の小涌谷-宮ノ下間で架線に倒木が引っ掛かっているのを上り電車の男性運転士が発見、緊急停止した。同社は強風の影響とみて木の撤去作業を進めたが、再開は夜にずれ込んだ。
同日午前4時ごろには、川崎市高津区の市立東橘中学校の校舎解体現場で工事用の足場が倒壊。その影響で沿道の電柱2本が傾いたため、市は近隣の6世帯に避難勧告を出した。同校付近や箱根町などで一時、約2100戸が停電した。
また、横浜市内の住宅や共同住宅計3棟の外壁などが倒木や飛散物で損壊。小田原市荻窪の市生涯学習センターでは壁面の一部がはがれ、地上に落下しているのが見つかった。
気象庁によると、低気圧は2日午前9時までの24時間に50ヘクトパスカル低下し、台風並みの946ヘクトパスカルまで急発達した。最大瞬間風速は北海道の利尻空港で43・7メートル、稚内空港では41・7メートルを観測。県内では、横浜が26・6メートル、小田原で25・9メートルを記録した。竜巻注意情報も発表された。