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【動画】横須賀に新原子力空母 R・レーガン入港

社会 | 神奈川新聞 | 2015年10月2日(金) 03:00

横須賀市の米海軍横須賀基地に入港する原子力空母ロナルド・レーガン=1日午前8時24分(共同通信社ヘリから)
横須賀市の米海軍横須賀基地に入港する原子力空母ロナルド・レーガン=1日午前8時24分(共同通信社ヘリから)

 米海軍の原子力空母ロナルド・レーガンが1日、米海軍横須賀基地(横須賀市)に配備された。5月に約7年間の任務を終えて離日したジョージ・ワシントン(GW)の後継艦として、アジア太平洋地域に前方展開する空母機動部隊の中核を担う。1973年10月の空母ミッドウェー以降、横須賀を事実上の母港とする空母は5代目となる。

 在日米海軍司令部によると、同空母は2003年7月に就役。11年3月の東日本大震災では、米軍の支援活動「トモダチ作戦」に参加、東北沖で救援物資の搬送などを行った。

 空母は基地に午前8時40分ごろ接岸。乗組員は入港直前、甲板で「はじめまして」と平仮名の人文字をつくった。


12号バースに着岸するロナルド・レーガン。甲板には乗組員がずらりと並ぶ=米海軍横須賀基地
12号バースに着岸するロナルド・レーガン。甲板には乗組員がずらりと並ぶ=米海軍横須賀基地


 入港後の記者会見で、メイバス米海軍長官は「日本の皆さんからのR・レーガンに対する歓迎は、日米両国の地域の安定に対する共通の責務を体現するもの」とあいさつ。集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法が成立したことについては「非常に喜ばしい。この法制が通ったことにより、さらに海上自衛隊との関係が進化される」と述べた。

 ボルト艦長は原子炉の安全性について「最も厳しい基準に従って運用を行っている。100パーセント安全と自負できる」と話した。

 一方、空母配備に反対する市民らは同日、同基地近くの岸壁で抗議。京急線横須賀中央駅前で街宣活動をしたり、同基地ゲート前で米軍関係者らにビラを手渡したりして、母港化継続の撤回を求めた。

 R・レーガンは8月下旬、米サンディエゴでGWからの乗組員の乗り換えを終え、空母艦載機の訓練などを経て日本に向かっていた。米海軍関係者によると、先月29日からは九州沖で海自のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」と訓練を行っていたという。

【解説】対中鮮明、抑止とリスク


 「アメリカの旗艦」と乗組員が呼ぶR・レーガンの配備は、米政府が掲げるアジア太平洋重視(リバランス)戦略の象徴的な存在でもある。背景には、尖閣諸島問題を端緒とする中国の東シナ海、南シナ海などへの海洋進出の顕在化がある。

 軍備増強する中国は南シナ海の南沙諸島に軍事目的の人工島を造成した。海洋安全保障の専門家は「公海上に基地を造り、領有権を主張している。国際法では認められないような挑戦的な行為を続けている」と指摘。軍事的な有事に限らず、経済活動をする商船などが安全に航行できるように守るシーレーン防衛の観点でも、日米にとって脅威が増しているという。

 離島防衛も含め、こうした緊迫する地域情勢に対処するため、米軍は2020年までに太平洋に配備する艦船の割合を50%から60%に引き上げる方針だ。

 第7艦隊の中核を担うR・レーガンに加え、前方展開の拠点とする横須賀基地には、17年夏までに日米ミサイル防衛の強化も視野に入れた3隻のイージス艦も追加配備され、基地機能が強化される。

 一方、安全保障関連法の成立により、米軍の有事の際にも限定行使できる集団的自衛権が認められたことで、海上自衛隊の艦船は事実上、一体化した「戦力」とみなされ、平時から日米共同の相互運用の幅はさらに広がっていくとみられる。抑止力とリスクの兼ね合いが問われる時代を迎える。


下艦した乗組員を迎える家族ら=米海軍横須賀基地
下艦した乗組員を迎える家族ら=米海軍横須賀基地
 
 

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