
東日本大震災の津波で米国オレゴン州まで流され、4年半ぶりに日本に戻った神社の鳥居の一部の“帰国”を祝う式典が1日、横浜市神奈川区の商業施設「横浜ベイクォーター」で開かれた。日米の関係者ら約60人が出席。キャロライン・ケネディ駐日米大使も駆け付け、あらためて被災地の復興を祈願した。
津波で流されたのは、青森県八戸市にある厳島神社の2基の鳥居の最上部(笠木=かさぎ)。震災から2年後の2013年3月と4月、約7千キロ離れたオレゴン州の二つの海岸に漂着した。
笠木は、同州公園局の管理下に置かれた後、ポートランド日本庭園が保管。調査の結果、厳島神社のものと判明した。
式典で、同庭園のスティーブン・ブルームCEOが漂着から返還までの経緯を説明。ケネディ大使は「故郷に戻った笠木は日米両国の絆のシンボル」と喜び、八戸市の奈良岡修一副市長は「皆さまからいただいたご恩にあらためて感謝し、これを復興の力に変えて頑張りたい」と力を込めた。
笠木は八戸市まで陸送され、修理を施された後、来春には厳島神社に再び建立される予定。式典では、同庭園と交流がある鶴岡八幡宮(鎌倉市)が、笠木を清める神事を執り行った。