
開業50周年を機に初の全面リニューアル工事を行っている大山観光電鉄(伊勢原市)の大山ケーブルカーの関係者向け試乗会が29日行われ、新型車両が公開された。大山ケーブルカーは10月1日に再開する。
新型車両には大山の新緑をイメージしたブリリアントグリーン(宝石のように輝く緑色)を採用。はるかに海を望む麓側に縦2メートル、最大で横幅2メートルの大型窓が、その上部の屋根部分にも縦1・8メートル、横2メートルの窓が設けられ、旧型よりもさらに眺望がよくなった。
天井には緩いカーブ状の構造を導入し、従前と比べ25センチ高くなった。また動力にリチウムイオン蓄電池などを導入することで車両の上部にあった架線を撤去。眺望がクリアになったほか、車内の階段の高さを16センチに軽減し、移動がしやすくなった。
車両は小田急のロマンスカーなどを手がけた建築家の岡部憲明さんがプロデュース。説明会に出席した岡部さんは「特徴ある窓が大山の風景の多様性を切り取る。今までにはない全く新しい車両を作ることができたと思う」と述べた。
大山ケーブルは1965年に開業。大山の中腹の大山ケーブル駅と大山阿夫利(あふり)神社下社の高低差278メートル、長さ約800メートルを結ぶ。老朽化などにより車両や線路の入れ替えが決まり、今年5月から工事のために休業していた。
10月1日の運転再開は午前9時から。出発式が行われるほか、さまざまなイベントが開始される。11月15日までは連日、大山ケーブル駅から乗車する先着300人に絵はがきセットがプレゼントされるほか、記念スタンプラリー、各種記念グッズの発売も行われる。








