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秦野のお産担いたい 17年開院へ市と調整 八木病院、市営住宅跡に移転 

社会 | 神奈川新聞 | 2015年9月18日(金) 03:00

移転した上で分娩の受け入れをする方向で市と調整していることがわかった八木病院=秦野市本町
移転した上で分娩の受け入れをする方向で市と調整していることがわかった八木病院=秦野市本町

 産科不足に悩む秦野市で、小田急線秦野駅前にある八木病院(同市本町)が移転を機に産婦人科を整備して分娩(ぶんべん)を受け入れる方向で市と調整していることが17日までに分かった。開院は2017年4月を目標としている。市内では分娩の中心を担ってきた秦野赤十字病院が今年から受け入れを停止しており、受け入れ件数の回復が課題となっている。市関係者は「ありがたい話」と喜ぶ。

 八木病院の前身は産婦人科クリニックで、1935年に開院。地域の「お産の場」として親しまれてきたが、医師の高齢化などにより分娩の受け入れが徐々に困難となり、7年ほど前から休止状態となっていた。現在は内科、整形外科など8科ある。

 建物の老朽化による耐震性への不安などにより建て替えを検討しており、今年2月に市に移転を相談。その際、市側から同市鈴張町の市営住宅跡地の賃貸借と分娩受け入れを打診され、ともに前向きに検討してきた。

 産科医が全国的に不足する中、同病院では5人程度の医師に内諾を得ているといい、当面は年200~300件程度の分娩の受け入れを目標とする。同病院は「地域の方々に愛され、80年の歴史を重ねてきた。良き伝統を引き継ぎ、少しでも地域貢献をしたいと思った」と話す。

 市内では年約700件の分娩を担ってきた秦野赤十字病院で、産科に医師を派遣してきた昭和大学が3人中2人の常勤医を引き揚げたため、分娩を休止している。市としては一定数の分娩が確保できるだけではなく、“塩漬け”になっていた土地を活用できる形となり、関係者は「非常にメリットが多くありがたい話」と喜ぶ。

 市は産婦人科の整備と分娩受け入れを条件として、市営住宅跡地を賃貸借契約する方針。市こども健康部は「経営が軌道に乗ることをめどに、土地の売却も視野に入れたい」とする。

 市は昭和大に赤十字病院への産科医派遣再開も引き続き要請し、2医院での分娩で従来の件数を賄いたいとしている。八木病院は「ぜひ赤十字病院でも再開してもらい、力を合わせて秦野のお産を担えれば」と話している。

 
 

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