
川崎市幸区の介護付き有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で入居者3人が相次いで転落死した問題をめぐり、3人の身長は150~160センチで、4、6階のベランダからほぼ同じ場所に落下した可能性が高いことが16日、明らかになった。市が介護保険法などに基づいて実施した同施設への監査で判明した。
市によると、転落死したのは86~96歳の男女で、いずれも自立歩行が可能だった。2人は4階の同じ部屋から、残る1人は6階の他人の居室のベランダから転落していた。2部屋は縦並びの同じ位置にあり、手すりの高さはともに約120センチ。裏庭のほぼ同じ場所に倒れているのを施設の当直職員が発見したという。
市は同日、健康福祉局の職員6人で施設に立ち入り、約4時間にわたって監査を実施。昨秋から今夏にかけて発生した職員の窃盗事件や虐待、入浴中の死亡事案を含む計6件を対象としていたが、結果的に転落死に関する聞き取りのみで終わった。残る事案の監査は25日に行う予定。監査には厚生労働省の職員も同行し、緊急の実地指導を行う異例の事態となった。
3人の転落死について、県警は事故と事件の両面から慎重に調べている。