川崎市の有料老人ホームで入所者3人が相次いで転落した問題で、同じ事業者が運営する横浜市の有料老人ホームで虐待とは認定していないが入所者の顔にあざができるなど不適切な介護が2件あったとして市が指導していたことが15日、分かった。市は11日に厚生労働省に報告した。
市によると、市内には同じ事業者の施設が1カ所、同系列の施設が10カ所ある。2012年度以降、死亡事故報告はないが虐待に関する通報などは14年6月と10月に1件ずつあった。
6月のケースでは、80代の女性入所者の弁護士が市に通報。顔や足など3カ所にあざが見つかったが虐待とは認定しなかった。市の担当者は「女性は要介護度5。自分であざをつくる可能性は低いが100パーセントないとも言えない。原因が特定できなかった」と説明する。
10月のケースでは、施設側が90代の女性入所者の介護の際に顔にあざをつくってしまったと自己申告。故意が認められないとして虐待とは認定しなかった。
市は改善計画を報告するよう指導、昨年12月に改善報告書が出されたという。