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鬼怒川が決壊、大規模水害に 茨城「9人不明」100棟浸水

社会 | 神奈川新聞 | 2015年9月11日(金) 03:00

台風18号の影響による大雨で鬼怒川(上)の堤防が決壊し、流出する濁流=10日午後1時46分、茨城県常総市(共同通信社ヘリから)
台風18号の影響による大雨で鬼怒川(上)の堤防が決壊し、流出する濁流=10日午後1時46分、茨城県常総市(共同通信社ヘリから)

 台風18号の影響による大雨で関東や東北では10日も記録的な豪雨が続き、茨城県常総市では鬼怒川の堤防が決壊した。常総市は「9人が行方不明になっている」と明らかにした。県によると、人が流されたとの情報が複数あり、安否の確認を進めている。警察庁によると、堤防決壊で周辺の約100棟が浸水。警察や消防、自衛隊、海上保安庁は同日夜までに、取り残された周辺住民ら約200人をヘリコプターなどで救助した。

 気象庁は10日未明から順次、栃木、茨城各県に特別警報を出した。

 栃木県でも河川の氾濫や土砂災害が発生、1人が意識不明の重体、1人が行方不明となった。大雨の範囲は移動する見込みで、東日本では11日にかけて、土砂災害や河川の増水に最大級の警戒が必要だ。

 国土交通省によると、堤防決壊は10日午後0時50分ごろ。幅は約140メートルにわたった。決壊地点は8月28日の点検で異常はなかったが、10年に1度起きると想定される洪水に対応できないとして、改修を計画していた。

 過去のシミュレーションでは、決壊による最大浸水想定地域は常総市内の鬼怒川東岸と小貝川西岸の間の約37平方キロで、周辺の最大6900棟に被害の恐れがあるとしている。

 茨城県は常総、古河、結城、下妻、筑西の5市と八千代、境の2町に災害救助法を適用した。

 常総市では、地域交流センターで約550人が孤立状態にあるほか、ショッピング施設の屋上に約100人が取り残されている。複数の避難所が浸水し、常総市は隣接するつくば市などに避難者の受け入れを要請した。

 栃木県などによると、日光市で排水管の保守作業をしていた20代の男性が土管にはまり、意識不明の重体。鹿沼市では土砂崩れで住宅が埋まり女性が行方不明。

 警察庁によると、各地の被害者は行方不明が1人、重傷が6人、軽傷が15人となった。総務省消防庁によると、建物の破損や浸水は約千棟。政府は大雨被害で救助されたのは265人以上になったと発表した。

 安倍晋三首相は関係閣僚会議を開き「これまで経験したことのない異常な状況だ。事態は重大な局面にある」と強調、全力で対策に取り組むよう関係省庁に指示した。

 
 

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