飲酒運転の呼気検査を拒否したとして、道交法違反(飲酒検知拒否)の罪に問われた横浜市の男性会社員(39)の判決が9日、横浜地裁であり、鬼沢友直裁判長は「警察官による呼気検査の要求が曖昧だった可能性がある」として、無罪(求刑罰金35万円)を言い渡した。
男性は昨年9月に同市内でオートバイを運転中、飲酒検問をしていた警察官2人に求められた飲酒検知を拒んだとして現行犯逮捕された。検知の要求を明確に拒否したことが違法性の要件となるが、公判で弁護側は「警察官は(男性に)検知を求めていない」と主張し、争点となっていた。
鬼沢裁判長は判決理由で「警察官は説得に集中するあまり、基本的な事実の確認を怠った可能性が否定できない」と指摘。逮捕前のやりとりを男性が撮影した動画などから、検知の要求や拒否の意思は明確ではなかったと判断した。
男性は判決後「主張が認められたのはよかったが、飲酒運転は反省している」と話した。横浜地検の林秀行次席検事は「判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とコメントした。