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温地研の現場から(23)海岸が語る関東地震

社会 | 神奈川新聞 | 2015年9月4日(金) 11:43

三浦市毘沙門における隆起の痕跡。ボーリング調査で得られた堆積物の写真とスケッチ。ラグーン湖底の堆積物が、海水準よりも高い場所に分布。離水時期は1260年以降。
三浦市毘沙門における隆起の痕跡。ボーリング調査で得られた堆積物の写真とスケッチ。ラグーン湖底の堆積物が、海水準よりも高い場所に分布。離水時期は1260年以降。

 海岸の地形は地殻変動で変わる。相模湾沿岸は、神奈川県の地下にフィリピン海プレートが沈み込むため、普段はゆっくりと沈降しているが、1923年の大正関東地震(M7・9)と1703年の元禄関東地震(M8・2)では大地は隆起し、海底の一部は陸地となった。関東地震は、どのように繰り返されるのか? 海岸調査から解明を試みた。

 温泉地学研究所では鎌倉、逗子、三浦で調査を行った。その結果、元禄関東地震の一つ前の地震の隆起の痕跡を見つけた。空中写真からは、昔の海岸線が現在よりも内陸側に判読され、ボーリング調査では、海底堆積物が海面よりも高い場所に認められた。

 堆積物中の木片の放射性炭素年代を調べたところ、隆起時期は1260年以降と推定された。古文書によれば1293(正応6)年4月13日、鎌倉が地震に見舞われ、約2万3千人の犠牲者が出ている。この地震が関東地震である可能性が高い。

 関東地震の発生間隔は大正と元禄の間が220年、元禄と正応の間が410年と推定され、等間隔ではない。大正関東地震からすでに92年、いつ起こるか分からない巨大地震への防災・減災を一歩一歩進める必要がある。

温泉地学研究所 元研究員・金 幸隆

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