噴火警戒レベル3(入山規制)の箱根山・大涌谷周辺(箱根町)について、国土交通省関東地方整備局は3日、火口周辺の2カ所で小規模な斜面崩落があったことが確認され、火山灰の堆積も認められたと発表した。7、8月に実施した調査に基づくもので、同局は「引き続き土石流の発生に注意してほしい」と呼び掛けている。
大涌沢流域にある火口周辺で土石流が発生する危険性があるかどうかを調べるため、小規模な噴火が確認された後の7月2日と8月9日に実施。規制エリア外の箱根ロープウェイ姥子駅前でカメラを搭載した小型無人機「ドローン」を飛ばし、火口周辺から北に約2キロ、東に最大約1・5キロの上空約150メートルから撮影し、噴火前の画像と比較した。
小規模な崩落が確認されたのは、火口の南東約100メートルの斜面と火口の東約350メートルで、温泉供給施設から約100メートルの沢周辺。火山灰の堆積については、火口近くで幅約150メートル、長さ約200メートルの範囲が灰色に変化していたという。
同局は「大規模な土砂移動は確認されなかったので、ただちに心配する状況ではない。しかし、噴火活動や降雨によって状況は変わることが考えられる」と話している。