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支援者が遺族の肉声も掲載
自衛隊の体質改めて 「たちかぜ」裁判の記録発行 

社会 | 神奈川新聞 | 2015年9月1日(火) 10:42

「たちかぜ」裁判を記録した書籍を出した支える会のメンバー=横須賀市役所
「たちかぜ」裁判を記録した書籍を出した支える会のメンバー=横須賀市役所

海上自衛隊横須賀基地所属の護衛艦「たちかぜ」の乗組員だった1等海士=当時(21)=がいじめを苦に自殺した事件で、東京高裁が国の損害賠償責任と文書隠蔽(いんぺい)を認め、原告側全面勝訴となった裁判の支援者らが経過などを記した書籍を発行した。「自衛隊の体質が一日も早く改まることを期待して本にした」と話している。

 タイトルは「息子の生きた証しを求めて~護衛艦『たちかぜ』裁判の記録~」。

 遺族は2006年に提訴、その後8年にわたり裁判は続いた。昨年4月の高裁判決(確定)で、上司らの責任や海自による文書隠しを認め、約7300万円の支払いを命令。「上司が適切に調査、指導をしていれば自殺は予測可能で回避できた」と指摘した。

 裁判では、自殺後に行われた乗組員らへのアンケートを国が意図的に隠していたことも明らかになった。こうした裁判の経過や遺族の肉声などを掲載。訴訟に関わった弁護士や支援者らも寄稿している。

 編集に携わった「たちかぜ裁判」を支える会の木元茂夫さんは「判決を重く受け止め、隠蔽体質が改まるよう期待している」と訴える。

 アフガン戦争とイラク戦争に関連し、特別措置法に基づいてインド洋やイラクに派遣された自衛官のうち、56人が自殺していたことが防衛省のまとめで明らかになっている。病死、事故死などを加えると124人。派遣以後の精神疾患による休職者は67人、依願退職者は791人に上った。

 同会の新倉裕史さんは、「安全保障関連法案の審議で自衛隊のリスク問題も取り上げられているが、海外派遣で多くの隊員が亡くなっていることに光が当てられていない」と問題視する。木元さんも「124人も亡くなっているのに、何が起きたかを明らかにしていない」と「機密」を盾に情報開示に消極的な防衛省を批判する。「勝訴はしたが、遺族の悲しみは変わらない。こういう事件がなくなるために、これからも頑張りたい」と話している。

 1冊1400円(税抜き)、A5判215ページで1500部を印刷。全国の書店で並んでいる。

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