葉山町の県道で3人が死傷したひき逃げ事件をめぐり、山梨崇仁町長は26日、町内の国県道への防犯カメラの設置を前倒しで行う方針を明らかにした。設置は12月ごろの予定だったが、事件を受けて設置を急ぐ。今回の事件現場付近も対象に含まれる。
町は、国道134号や県道207号など町内へ出入りする主要幹線道路7カ所の上下線に防犯カメラ計14台を設置する費用約460万円を、本年度当初予算に計上していた。設置を求める声が、かねて町民から寄せられていたという。
山梨町長は、事件現場となった県道を管理する県横須賀土木事務所に対しても安全対策に関する提案を申し入れる意向も示した。「運転者に対して視覚的に減速を促す路面表示など、すぐにできることはすぐに対応できれば」と話した。
ひき逃げ事件をめぐっては、容疑者の男が事件前に海水浴場で飲酒していたとの目撃情報がある。山梨町長は「飲酒運転禁止は張り紙などで呼び掛け、素行の悪い客は追い出すといった取り組みを(海の家に)してもらっている。さらに強化をお願いしていく」とした。
事件は23日午後5時10分ごろ、葉山町一色の県道で発生。歩行者の列に乗用車が突っ込み、女性(23)1人が死亡、男女計2人がそれぞれ重体、重傷となった。自動車運転処罰法違反(過失致死傷)と道交法違反(不救護、不申告)の疑いで、同町一色の会社員の男(20)が逮捕、送検された。