
2010年にノーベル化学賞を受賞した北海道大名誉教授の鈴木章さん(85)が26日、横浜サイエンスフロンティア高校(横浜市鶴見区小野町)で講演した。科学技術振興機構の「日本・アジア青少年サイエンス交流事業」の一環。同校の生徒95人と、日本の科学技術を学ぶため来日した中国やミャンマーなどアジア5カ国の中高生約100人が参加し、世界的権威の話に耳を傾けた。
鈴木さんは、ノーベル賞に輝いた化学反応「鈴木・宮浦カップリング」の仕組みを、スライドを使いながら英語で説明。ノーベル賞のメダルの写真が大写しになると、生徒の中から「豪華」「きれい」などと感嘆の声があがった。
生徒から「研究者として大切なことは」と問われると、鈴木さんは「研究に失敗はつきもの。諦めず、オリジナリティーを大切に頑張って」と答えた。講演後には、食堂で学生たちと昼食をともにしながら交流を深めた。
同校2年の山口優さん(16)は「最先端の研究について聞くことができて貴重な経験になり、好奇心を刺激された。諦めたくなったときは、鈴木さんの話を思い出して頑張りたい」と話していた。