外国籍や貧困状態にある子どもたちの自立を考えるフォーラムが22日、横浜市栄区の地球市民かながわプラザで開かれた。地域の支援団体、研究者、文部科学省、県教育委員会の担当者ら約80人が参加。貧困の連鎖を防ぐため、言語習得や学び直し、就職を支える「居場所」を地域につくっていく重要性を訴えた。
社会福祉法人「青丘社」(川崎市川崎区)、NPO法人「ABCジャパン」(横浜市鶴見区)、同「多文化共生教育ネットワークかながわ」(同市栄区)が共催。
基調講演で首都大学東京名誉教授の乾彰夫さんは、高校中退者が社会的に恵まれない家庭に偏っていることや、中退者の8割が「高卒資格が必要」と考え、3割が学校に戻って学び直しをしていることを解説。経済・社会的な困難に直面し不安や自信のなさに苦しむ若者を支えるには、「就労体験、地域の大人との関わりなどを組み合わせた学びの場、成長体験を共有し何かあったら戻れる居場所が地域に必要」と指摘した。
文科省、県教委の担当者が外国人児童生徒への支援事業を説明したほか、3団体が外国につながる子どもたちの学習支援、日本語学習教室、フリースクールなどの事業を報告した。
父が日本人、母がフィリピン人の早稲田大国際教養学部2年、宮本眞希さん(21)は16歳の時に来日、県立高校入学までの約10カ月、多文化共生教育ネットワークかながわが開設するフリースクールで日本語などを学んだ。「相談に乗ってくれる先生、大人が身近にいることでとても助けられた。外国につながりのある子どもたちのために、こうした居場所がもっと増えてほしい」と訴えた。