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温地研の現場から(21)石碑に見る震災復興

社会 | 神奈川新聞 | 2015年8月21日(金) 11:03

小田原市の山王神社にある石碑。関東大震災の人的・経済的被害や、救援のために軍隊が派遣されたことなどが書かれている
小田原市の山王神社にある石碑。関東大震災の人的・経済的被害や、救援のために軍隊が派遣されたことなどが書かれている

 東北地方太平洋沖地震の後、各地の津波の被害を記した石碑が注目を集めたことは記憶に新しい。県内でも、ほとんどの市町村に地震の被害を記した石碑が存在し、名古屋大学の武村教授の報告によればその数は400近い。また、温泉地学研究所による調査結果はホームページで公開されており、地震による被害と地域の復興についてまとめられている。

 県内の石碑の多くは1923年の関東大震災に関するもので、地域ごとに被害の様子を反映した特徴がある。例えば横浜市では地盤が悪く多くの建物が倒壊し、火災による死者も多かったため、慰霊碑の数が復興記念碑の数の倍以上ある。

 一方、県央・県西部ではその割合は逆転し、地域の復興への努力や困難を記した石碑が増える。丹沢山地に近い山北町では、地震後の土砂崩れや水害からの復興記念碑が多い。また地下水の水位が深く、井戸の崩壊によって水不足に悩んだ足柄平野の北部では、水道や用水の復興記念碑が多く見られる。そして多くの石碑に、悲惨な記憶を後世に伝えるとの記述がある。

 やがてくる震災に備えるため、まずは身近にある石碑を眺めることから始めるのもよいかもしれない。
(温泉地学研究所主任研究員・本多 亮)

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