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「笑顔忘れないで」 九ちゃん妻ら地元川崎でコンサート

社会 | 神奈川新聞 | 2015年8月9日(日) 03:00

手話を交えてヒット曲「上を向いて歩こう」を歌う柏木由紀子さん(右)と大島花子さん=川崎市中原区の市平和館
手話を交えてヒット曲「上を向いて歩こう」を歌う柏木由紀子さん(右)と大島花子さん=川崎市中原区の市平和館

 日航ジャンボ機墜落事故で命を落とした国民的歌手、坂本九さん=当時(43)=の妻で女優の柏木由紀子さん(67)らが8日、川崎市中原区でミニコンサートを開き、ヒット曲「上を向いて歩こう」などを披露した。520人が犠牲となった事故から12日で丸30年。「坂本九の歌と笑顔を忘れないでほしい」-。亡き夫ゆかりの川崎で、そんな思いを歌声に込めた。

 おなじみの楽曲に手拍子を誘われ、自然と歌詞を口ずさむ来場者たち。家族が再現したかったのは、客席と一体のステージ「九ちゃんスタイル」だ。福祉活動に熱心だった九さん仕込みの手話を交え、柏木さんと長女の大島花子さん(41)が会場を盛り上げた。

 川崎大師へ初詣に繰り出し、実家の川崎区で好物のサンマー麺をすする。多忙な昭和の大スターの、ささやかな家族だんらんを明かした柏木さんは、「こんな時にいないの、という悔しい思いはいつもしますよね。ただ、30年もたったとは信じられない」と現在の心境を語る。

 出産を控え、この日は欠席した次女舞坂ゆき子さん(38)と家族3人でユニットを結成したのは10年ほど前。フランス語で「母と娘たち」を意味する「ママエセフィーユ」と名付け、東日本大震災の被災地支援などに当たる。

 「悲しみに終わりはないけれど、乗り越えるのではなく一緒に歩いていきたい」と大島さん。偉大な父の楽曲を歌い継ぐことで、いまも事故と向き合い続けようとする。

 
 

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