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元財務相・藤井裕久さん
時代の正体〈158〉安倍政治を語る(上)再び歩む戦前の過ち 

社会 | 神奈川新聞 | 2015年8月6日(木) 09:52

安倍政治について語る元財務相・藤井裕久さん
安倍政治について語る元財務相・藤井裕久さん

 戦後70年の夏、専守防衛に徹してきた日本の安全保障政策の大転換が、戦争を知らない世代の為政者によって企図されている。「戦前の間違った道を歩みかねない」。戦火をくぐり抜け、長年にわたり日本政治に重きをなしてきた民主党顧問の藤井裕久元財務相は、近現代史や国際情勢に基づく冷静な目で、その危うさに警鐘を鳴らし続ける。

 安倍政権が命運を懸ける集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案。衆院審議を経てもなお、一向に国民の理解が深まらない法案の本質を、かねてこう指摘してきた。

 「集団的自衛権なんて難しい言葉を使っているが、要は対等な軍事同盟を結んで仮想敵国を撃つこと。私はこのやり方に絶対、反対。このまま行けば、将来、日本は戦前の間違った道を歩む可能性があると思う」

 道を過たぬために、歴史、とりわけ日本の近現代史に学ぶ大切さを後進に口酸っぱく説いている。明治以降の日本の歩みが、戦後の安保政策の大転換に直面する「今」の羅針盤になると信じるからだ。

 なぜ、戦前の間違った道を歩む可能性があるのか。その解も、明治以降の歴史が教えてくれるという。

 「戦前の対等な軍事同盟は二つ。一つは1902年の日英同盟。仮想敵国はロシア。もう一つは40年の日独伊三国同盟。こっちの仮想敵国は米英です」

 前者は日露戦争に、後者は太平洋戦争に行き着いた。勝敗は別として、仮想敵国を設定した軍事同盟は「みんな、戦争になったという歴史があるんです」。史実に裏打ちされた「現実論」が、そこにはある。

 
 

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