極端な考えや行為によって社会への適応が困難になり、本人や社会が悩むパーソナリティ障害(人格障害)について、回復への道を考える講演会が26日、横浜市金沢区の「いきいきセンター金沢」で開かれた。下総精神医療センター(千葉市)の中根潤医師が講演し「5年、10年という単位だが、治療と本人の努力で改善することができる」と指摘、地域による支援の必要性を訴えた。
摂食障害とパーソナリティ障害の女性を対象にした日本唯一の地域活動支援センター「ミモザ」を運営しているNPO法人「のびの会」(横浜市金沢区、久間久恵理事長)が主催。当事者、家族、支援者ら約120人が参加した。
パーソナリティ障害は、妄想性、統合失調質、反社会性、境界性、自己愛性、回避性、強迫性-などのタイプがあり、人口の0・7~2・0%存在。中でも境界性の障害は、薬物過剰摂取やリストカットといった自傷行為や他害行為で表面化することが多いという。中根医師は「入院治療は有効ではなく、外来診療が基本。より自分や周囲に負担が無い行動に変えていく。時間がかかるが、社会の中で回復していく」と治療の道筋を説明した。
講演に続き、当事者、家族、支援者ごとに分科会を開催。支援者の分科会では「支援者は頑張りすぎない勇気を持つこと、つぶれないことが必要」「社会全体のサポートが欠かせない」などと語り合った。
同会への問い合わせは事務局電話045(787)0889。