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AED活用増に期待 厚木市内、コンビニにも設置

社会 | 神奈川新聞 | 2015年7月20日(月) 09:17

厚木市内の全セブン-イレブンの店舗に設置されたAED
厚木市内の全セブン-イレブンの店舗に設置されたAED

 簡単な操作で心肺停止した人の命を助けることができる自動体外式除細動器(AED)。近年では公共施設や民間企業に設置が広まるなど機器の普及に従って、課題は一般活用をいかに増やしていくかに移ってきた。厚木市内ではAEDを使って救命に結びつけた事例が続き、市消防本部はこのほど関係者を表彰、今後の利用拡大に期待を寄せている。

 最初のケースは3月26日、同市上古沢の建設会社の資材置き場で、出入り業者の男性(54)が突然倒れた。直後に現場の責任者(40)ら4人が昨年11月に設置したばかりのAEDを使って救命措置を実施、119番通報で駆け付けた救急隊員に引き渡した。

 今年5月26日には同市三田のスーパーで男性客(44)が意識を失った。居合わせた女性看護師(42)が従業員に店内のAEDを持ってくるように指示、協力しながら救命活動を続けた。

 心肺停止の場合、応急手当てが早いほど救命率が高まる。救急車の到着までに発見者がAEDを使用して応急処置などを行うことが望ましいとされる。高齢化による救急要請の増加を背景に自治体では近年、AEDの設置に力を入れ、交通機関や大型店など不特定多数の人が出入りする民間施設にも協力を求めている。

 厚木市では、小中学校や公民館などの市民が利用する施設88カ所に設置済み。今月1日からは市の老人憩いの家に加えて、24時間営業のセブン-イレブン全48店舗にも新たに設置した。

 身近なコンビニへの設置は大和市に次いで県内では2例目。同市では、市民利用を促すために設置場所を明記したマップを作成し配布。定期的な救命講習への参加を呼び掛け、昨年11月からは毎月第1土曜日を「AEDの日」に設定して事前申し込みが不要な体験講座も開催している。

 昨年度、厚木市消防本部が扱った心肺停止の救急事案で、市民が事前に救命措置を行っていたのは144件。このうち、29件はその場でAEDを用意して機器が心電図を解析、実際に除細動のための電気ショックを与えたのは6件だった。

 同市消防本部救急救命課は「AEDを用意した事例の大半は高齢者施設内のケースで、道路上など一般的な場所での使用はまだ少ない。初心者でも音声メッセージが流れるので操作できる。何もしなければ命を助けられないので、勇気を持って使用してほしい」と話している。

 
 

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