
入出港や航海時の状況を高画質な「4K」映像で再現し、360度の視野で操船を体験できるシミュレーターを日本郵船グループの日本海洋科学(川崎市幸区)が開発した。
荒天や夜間などさまざまな自然環境や初めての航路でも安全運航ができるよう、船長や航海士が操船訓練を受けることができる。
直径約10メートルの円筒スクリーンに納められた操舵(そうだ)室(ブリッジ)には、大型船で実際に使われている航海機器を設置。操船に合わせて4Kプロジェクター13台がコンピューターグラフィックス(CG)映像を投映する。入出港時には両舷に張り出したブリッジ・ウイングから岸壁を俯瞰(ふかん)できるよう、下方向にも映像も映し出す。
技術開発グループの藤本弘司部長は「操船シミュレーターで4Kを採用したのは世界で初めて。荒天時は画面がリアルに揺れ、操舵室も揺れているように感じるほど」と話している。