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温地研の現場から(16) 自噴井が育むメダカ

社会 | 神奈川新聞 | 2015年7月17日(金) 10:51

水田を泳ぐ小田原メダカの群れ
水田を泳ぐ小田原メダカの群れ

 「めだかの学校は川の中」で始まる童謡「めだかの学校」は、童話作家の茶木滋が、かつて暮らしていた小田原市郊外の田園風景をモチーフに作詞したといわれている。1951(昭和26)年の発表当時、このような光景は、どこにでも見られるありふれた日常風景だったのだろう。

 しかし、今では神奈川県内におけるメダカの自然生息地は、足柄平野の一部地域だけになってしまった。そしてこのメダカの生息地はまた、自噴井(じふんせい)が多く分布する地域でもある。メダカと自噴井、この二つの一致は偶然なのだろうか。

 メダカは初夏から秋にかけて、水田や用水路でプランクトンなどを食べて成長し、冬になると水温が安定した温かな川底などに集まり、春の来るのを待つのである。

 農業用水路では、灌漑(かんがい)が行われる春から夏に通水されるため、冬には水量が大幅に減少する。しかし、自噴井から、冬でも一定の水温の地下水が湧き出るため、メダカが冬を越すことができる環境が維持されているのである。

 足柄平野の自噴井は1960年代に比べ、その範囲が30%ほど縮小している。この自噴井湧水を、守り伝える方法を探ることが、今後の研究課題である。
(温泉地学研究所主任研究員・宮下 雄次)

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