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温地研の現場から(15) 平野の湧水「自噴井」

社会 | 神奈川新聞 | 2015年7月10日(金) 11:22

足柄平野の自噴井から湧き出る湧水
足柄平野の自噴井から湧き出る湧水

 足柄平野は、富士山や丹沢山地を源流にもつ酒匂川が運んだ礫(れき)や砂が堆積してできた平野である。西側に接する箱根火山との境には、県内最大級の湧水量を誇る清左衛門地獄池湧水がある。この湧水からは日量約1万3千トンの地下水が湧き出ているが、その数倍もの湧水が、足柄平野の真ん中で、湧き出していることをご存じだろうか。

 「自噴井(じふんせい)」は地域によっては「掘り抜き」や「打ち抜き」などと呼ばれ、地下の水を通しにくい地層を文字通り掘り抜き、その下の帯水層まで井戸を掘ることで、自然の力で加圧された地下水が地上に噴き出す井戸である。足柄平野では、中部から南部にかけてこの自噴井が数多く分布し、2011年度の調査で、その数が千本以上、自噴井からの湧水量は、合計で日量5万トンに達していることが分かった。

 足柄平野に位置する2市4町では、水道水源に平野の地下水を用いており、その量は日量約3万トンである。一本一本の自噴井から湧き出る水量はそれほど多くなく、一般家庭の庭先などで、生活用水として使われている自噴井湧水であるが、平野全体では、県内最大級の湧水や水道水源井(せい)からの揚水をはるかにしのぐほどの量が湧き出ているのである。

(温泉地学研究所主任研究員・宮下 雄次)

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