
在日米陸軍相模総合補給廠(しょう)(相模原市中央区)の共同使用区域約35ヘクタールのうち、市民優先利用のスポーツ・レクリエーションゾーンと位置付けられる区域約10ヘクタールの施設整備について、市は今月中旬にも国と米陸軍の3者間で整備内容を確定させる現地実施協定を締結することが3日、分かった。同区域内に出入りするゲートは当初1カ所だったが、市の要望が受け入れられて計4カ所に増やされ、野球場のナイター設備なども設置される。
市は3月、スポーツ・レクリエーションゾーンの基本計画案を公表。軟式野球場や、サッカーなどに利用できる多目的フィールド、芝生広場などを配置する図案を提示。パブリックコメントを経て、6月末までに基本計画を固めた。整備の細部については、3者間で協議していた。
同ゾーンの共同使用区域ゲートは、日米合同委員会で共同使用が合意された2012年当時は米軍の管理上の問題から1カ所のみが基本だったという。しかし市は「施設は多くの市民が利用し、大規模災害時には広域避難場所としての防災機能も想定される」と、ゲートの増設を求めていた。4カ所のうち、2カ所は車両も利用できるように整備する。
さらに市は、安全対策から野球場のボールが区域外に飛び出さないよう、バックネットに高さ15メートルの固定式防球ネットの設置を要望。夜間にも施設利用できるよう、高さ30~40メートルある照明設備の設置も求めてきたが、米軍側の同意が得られたという。市によると、本年度から同ゾーンの実施設計に着手し、16年度から3カ年計画で整備。整備を終えた部分から段階的に市民利用できるようにする方針。