
安全保障関連法制に反対する憲法学者が3日、国会前で「リレートーク」を行い「この法案は違憲。廃案にすべきだ」と声を上げた。反対の意思を表明しようと東海大の永山茂樹教授らが呼び掛け、賛同した約20人のうち16人が駆け付けた。
呼び掛け人の一人で、龍谷大の石埼学教授は「メディアが憲法学者にアンケートをしているが、それも一部。顔を出し、肉声ではっきりと主張していきたいと思う」と話した。
自衛隊や憲法改正についてさまざまな立場を取る学者が集まったが、「安保法案は違憲」との意見で一致。福島県立医科大の藤野美都子教授は「憲法を長年研究してきた一人として見過ごせなかった。安倍首相は『政治家には国民の生命と安全を守る責任がある。憲法学者とは違う』と言ったが、原発事故があった福島の生活を守っているだろうか。だまされてはいけない」と、マイクを握る手を震えさせながら語った。
「日本はいつから他国から攻撃されるような国になったのか」と、安保法制の必要性に疑問を投げ掛けたのは聖学院大(埼玉県上尾市)の石川裕一郎教授。「国際情勢の変化によって危機にさらされている、改憲する時間的猶予がないので、まず安保法制を整備すると説明している。でも、5年後にはオリンピックをやる。政権幹部も皆、気付いている。危機などない」
このほか国際基督教大の稲正樹客員教授や武蔵野美術大の志田陽子教授、日体大の清水雅彦教授らがマイクを握り、反対の声を上げた。