在日米軍上瀬谷通信施設(横浜市瀬谷、旭区)が30日に返還されることを受けて国が同地でウドを栽培している農家に対し耕作地を返還するよう求めていた問題で、国が返還後も最大3年間の暫定利用を認めたことが29日、分かった。
最後の1年間は返還に向けた耕作地の原状回復に充てるため、栽培が継続できる2年の間にウド農家と市で移転など栽培継続の道を模索する。
市関係者によると、防衛省南関東防衛局から同日、連絡が入った。暫定利用(返還後の立ち入り)が認められたのは最大3年。農家ではなく市が許可を受ける形で1年ごとに更新する仕組み。
ウド農家は今後2年間はウド栽培を継続しつつ、市と話し合いながら上瀬谷地区周辺で代わりの耕作地や耕作方法などを模索する。
利用後は原状回復して返還しなければならないため、最後の1年間は地下栽培施設の撤去などに充てる。費用負担は市と農家で協議していく方針。
ウドの栽培は通信障害が起きないよう地下の軟化栽培施設で1969年から始まった。横浜のブランド野菜の一つとして現在は農家13戸が栽培しているが、通信施設の返還に伴い国は栽培を中止するよう市などに通告していた。継続使用を求める農家の声を受け、市が国と協議を続けていた。