カネボウ化粧品(東京)の美白化粧品を使ったことで、肌がまだらに白くなる「白斑」の症状が出たとして、県内を中心とした17人が29日、同社に慰謝料など計約3億7千万円の損害賠償を求める訴えを横浜地裁に起こした。
訴えによると、17人は30代から70代の女性で、美白成分が配合された化粧品を使い、顔や首などに白斑の症状が出た。いずれも症状が出る前の状態には回復せず、人前に出ることに苦痛を感じたり、症状を隠すための化粧が必要になったりしているという。原告側はカネボウの製品が化粧品としての安全性を欠いていたとし、製造物責任法に基づき1人当たり660万~3600万円の慰謝料などを求めた。
弁護団は昨年4月からカネボウと賠償の交渉をしてきたが合意に至らず、提訴に踏み切った。弁護団長の武井共夫弁護士は「訴訟で早期かつ適正な被害回復に努めたい」と話した。
カネボウは「訴状を確認していないので、コメントは差し控えたい」としている。
白斑問題をめぐっては、個人と集団による同種の訴訟が全国の15地裁・支部で係争中。県内では昨年、横浜市の女性が約5100万円の損害賠償を求める訴えを横浜地裁に起こしている。