横浜市立中山中学校(同市緑区)の社会科教諭が夏季学習として陸上自衛隊総合火力演習の見学会参加者を1年生から募っていたことを受け、横浜教職員の会(貞光正二会長)は25日、見学会を中止するよう市教育委員会に申し入れた。
市立学校の教職員やOBでつくる同会は自衛隊に関して賛否がある点を踏まえつつ、「中学生には一方に偏らないよう配慮が必要。火力演習は自衛隊の宣伝の場で、生徒が兵器の威力にだけ魅力を感じてしまうかもしれない」と危惧した。
生徒への配布文書で見学会と公民の学習との関連性を説明していることについて「公民は3年生で習う。知識と判断力が不十分な1年生では、さらに一面的な理解を助長する可能性が大きい」と指摘。見学会の中止や事実関係の調査、再発防止などを求めた。
市教委指導企画課は「夏休み中の自主的な学習の一つ。公的機関が主催する行事への参加を募ったもので、希望者が保護者の承諾を得て参加することに問題はない」と説明している。
演習は8月23日に東富士演習場(静岡県御殿場市)で実施予定。同月18、20日には関係者向けの予行演習が行われる。見学会は18日で定員10人で募集。2009年と14年にも行っているという。