地域ぐるみで子どもたちの学習支援などを行う、川崎市教育委員会の「地域の寺子屋」事業を推進するためのフォーラムが23日、同市の中原区役所で開かれた。地域住民ら約130人が参加。各寺子屋の実践例を紹介しながら、運営手法を学び合った。
同事業は、シニア世代など地域の人々の知識や経験を生かし、子どもたちの学びや体験の場をつくることが目的。2014年度にスタートし、市内26カ所に広がっている。地域教育会議やNPO、町内会でつくる実行委員会などが運営して週1回、放課後に学習支援を行う。企業や大学も参加した体験活動も月1回実施している。
フォーラムでは、東小倉小学校地域(幸区)、菅生中学校地域(宮前区)、三田小学校地域(多摩区)で寺子屋を運営する住民らが登場。学習支援では学校の宿題や手作りのドリルに取り組んだり、そうめん流しや写真教室、音楽祭などを開いたりしている様子を紹介した。
三田小地域の寺子屋コーディネーター塩沢和美さんは「小学校の先生になる夢がかなったという人や、自分で指導書を買って意欲的に教えている人も多い」とやりがいを実感している姿を伝えた。
同地域では専修大の教員志望の学生が学習支援に協力したり、明治大大学院の学生が自然観察会を開いたりしており、「若い人が来ると子どもたちも喜ぶ」と連携の効果も説いた。