富士山の山開きを7月に控え、登山客に注意を呼び掛けてもらおうと、東京、神奈川の旅行代理店や山岳ガイド団体などを対象とした講習会が19日、横浜市内で開かれた。静岡、山梨両県の担当者が遭難の特徴や噴火対策などを説明し、マナー向上への協力も求めた。
主催の静岡県によると、富士山のシーズン中の登山客は平均30万人に上り、10年前の約1・5倍。下山ルートを間違えたり、軽装で体調を崩したりする人が増えている。このため、シーズン前の啓発に力を入れようと、昨年から県外で講習会を開催している。首都圏では今回が初めて。
静岡県警の担当者は昨シーズンの遭難54件の原因を「発病や転倒が多いが、疲労や道迷い、滑落、落石もある」と説明。「高山病や低体温症は若者に目立つ」と指摘した。
噴火した場合は大きな噴石や火砕流、泥流などのリスクがあるものの、県担当者は「携帯電話のメールなどで緊急情報を発信する態勢を整えている」。さらに「ヘルメットやゴーグル、マスクの持参を呼び掛けて」と自助の徹底を訴えた。
また、夜に登り続けて山頂で御来光を望む「弾丸登山」の危険性を強調。今夏は登山口へのシャトルバスの最終便を繰り上げ、山小屋の利用を促す対策を講じるとした。
山開きは山梨側が7月1日、静岡側の3登山口は同10日を予定している。