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温地研の現場から<12> 気になる芦ノ湖の水

社会 | 神奈川新聞 | 2015年6月19日(金) 10:15

湖尻付近の芦ノ湖。左側に見える稜線の低いところが湖尻峠。トンネルはその下に掘り進められた
湖尻付近の芦ノ湖。左側に見える稜線の低いところが湖尻峠。トンネルはその下に掘り進められた

 意外なことに、箱根が静岡県にあると思っている観光客は多い。なるほど、芦ノ湖越しの富士山という構図は箱根を代表する風景の一つである。神奈川県民としては複雑な心持ちだが、箱根イコール静岡というイメージもうなずけなくはない。そして、あまり知られていないが、芦ノ湖の水利権はまさに静岡県にある。

 芦ノ湖の出口は早川の源流部に当たるが、そこには水門が築かれており、普段は水が流れ出すことはない。一方、西側の分水嶺(れい)である箱根の外輪山には、江戸時代にトンネルが掘削され、以降、多量の湖水が静岡県側に導かれ、かんがいや発電用水として利用されてきた。

 芦ノ湖には、湖面へ直接降る年間雨量の8倍にも及ぶ約1億7千万トンの水が蓄えられている。この大量の水の存在は箱根の豊かな水の象徴と考えられてきたが、芦ノ湖への水の出入りについては、実はよく分かっていない。

 最新のデータを整理した結果、芦ノ湖を囲む山々に降った雨のうち、地下水として湖に流入しているのはごく一部であることが示された。残りの水はどこに行っているのか? 温泉生成や地震発生の鍵となる箱根の熱水系への関与など、さまざまな可能性について検討を進めている。
(温泉地学研究所専門研究員・板寺 一洋)
 =毎週金曜日掲載

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