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23年ぶり増強 新イージス艦、横須賀に

社会 | 神奈川新聞 | 2015年6月19日(金) 03:00

追加配備の1隻目となる巡洋艦「チャンセラーズビル」=米海軍横須賀基地
追加配備の1隻目となる巡洋艦「チャンセラーズビル」=米海軍横須賀基地

 米海軍の誘導ミサイル巡洋艦「チャンセラーズビル」が18日、米海軍横須賀基地(横須賀市)に入港した。同基地を事実上の母港とする艦船は計12隻となり、23年ぶりに増えた。米海軍は2017年夏までに順次、3隻のイージス艦を同基地に追加配備することを決めており、今回が1隻目。オバマ政権のアジア重視戦略「リバランス(再均衡)」政策の一環だ。

 チャンセラーズビル(乗員約350人、全長約173メートル)は、1998年8月から2006年9月まで同基地に配備されていた。その後、長期の修理期間などを経て最新のイージス戦闘システム「ベースライン9」を導入。防空、水上戦、対潜戦の迎撃能力を向上させ、同基地に前方展開する第7艦隊戦闘部隊に加わった。今秋に同基地に配備される原子力空母ロナルド・レーガンを中核とする空母打撃群の支援を担う。

 18日午前10時すぎ、サンディエゴを出港していたチャンセラーズビルが同基地に着岸。艦長のカート・レンショー大佐は「あらゆる任務においてさらなる能力と力量をもたらす。最新の戦闘システム装備を完了したことで米海軍の中でも最も有能な艦船の一つになった。日本の防衛のみならず、アジア太平洋地域の安全と安定に対する米国の責務を果たす」と述べた。

 米海軍は15年8月に弾道ミサイル防衛(BMD)システムを備える誘導ミサイル駆逐艦「ベンフォールド」、17年7月に同「ミリウス」を追加配備し、14隻体制となる。

中国にらみけん制



 チャンセラーズビルの入港で、米海軍横須賀基地は23年ぶりに艦船が純増した。戦力を増強させる米側の狙いについて、軍事評論家の前田哲男さんは「北朝鮮の弾道ミサイル発射への対応は当然だが、今後の14隻体制は中国をにらんだ配置であるのはほぼ間違いない」と話す。

 同基地を事実上の母港としてきた米艦船は、1968年に初めて入港した第7艦隊旗艦オクラホマシティの1隻から始まり、92年から23年続いた11隻体制を経て、2017年夏には過去最多の14隻となる。

 前田さんは「これだけの規模の空母機動艦隊は米海軍最大。中国の海上行動に対する監視態勢を常駐化させてけん制し、常に姿を見せておく存在誇示の意味合いもある」と推察する。

 領土問題を端緒とする中国の東シナ海や南シナ海への進出を背景に、米国防総省はアジア太平洋に戦略の重心を移すリバランス政策を掲げる。20年までに太平洋に配備する艦船の割合を50%から60%に引き上げる方針だ。

 「米国が最も恐れているのは、中国の戦略型原子力潜水艦だ」と前田さんは指摘。弾道ミサイルを搭載し、米国の核兵器への抑止力になっているという。一方、米側は17年夏までに同基地での弾道ミサイル防衛(BMD)システムを備えたイージス艦を3隻増の8隻に増やす。「両者で水面下の戦いがあり、横須賀は作戦本拠地として港の条件や能力など全てを備えている」と、戦略的拠点に組み込まれていると強調した。

 冷戦時代は旧ソ連の軍事行動をけん制するため、同基地を拠点とする米第7艦隊は極東のオホーツク海や北太平洋での監視行動などが主任務だった。その軸足が中国、北朝鮮を想定した東シナ海や南シナ海に移ったという。前田さんは「1970年代から横須賀に空母が常駐するようになり、空母機動艦隊になるほどの勢力になった。なし崩し的に増やしてきている」と話した。

◆イージス艦 イージスシステムを搭載した艦艇の総称。高性能レーダーで同時に多数の敵ミサイルを探知し、識別から迎撃までコンピューターで一括処理する。同システムを拡張した弾道ミサイル防衛(BMD)システムを備えたBMD艦は人工衛星や地上、艦艇レーダーを駆使して大気圏外を飛行中の弾道ミサイルを迎撃。艦艇の種類は主に巡洋艦、駆逐艦に区分される。


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