東日本大震災で津波被害に遭った岩手県大槌町の住宅地に流れ着いた「奇跡のコメ」の田植えが18日、小田原市酒匂の市立酒匂小学校で行われた。
別名「復興米」は、震災から半年後の2011年秋、大槌町で被災した女性が自宅跡で育っていた3束の稲を発見、地元のボランティアらの協力で種もみを各地で育てる取り組みにより広まった。
同校では、市内の元小学校校長小嶋槙子さん(74)が譲り受けた750粒の種をもとに、13年から校内にある約20平方メートルの水田で児童による栽培が行われている。
この日は5年生約80人が小嶋さんと夫の勲さん(82)らのアドバイスを受けながら、一列ずつ丁寧に苗を植え付けた。今後は児童が水の管理や草取りなどを行い、秋の収穫後にはコメを味わうほか、来年の田植え用の種もみとして保存する。
男子生徒(10)は「秋の収穫が楽しみ。6年生から受け継いだ大切な苗なので、しっかりと育てて4年生に引き継ぎたい」と意気込んでいた。
小嶋さん夫妻は「復興米の栽培を通じて命の大切さを学んでもらうとともに、震災のことを忘れないでほしい」と話していた。