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海自いじめ自殺で罰金 横浜簡裁、上司の一等海曹に

社会 | 神奈川新聞 | 2015年6月11日(木) 03:00

 海上自衛隊横須賀基地の護衛艦乗組員の男性隊員が昨年、上司から暴行などを受けて自殺した問題で、横浜区検は10日、暴行と器物損壊の罪で、上司だった1等海曹(43)を略式起訴した。横浜簡裁は同日、罰金80万円の略式命令を出した。

 隊員の自殺をめぐっては昨年9月、海自横須賀地方総監部が発表し、いじめやパワーハラスメントなど不適切な指導が主な原因だったと説明。上司や周囲の隊員が不適切な指導を目撃していたことが判明している。

 起訴状によると、1等海曹は2013年10月から14年1月にかけて、自殺した隊員に対し、護衛艦内で頭部をペンライトや平手でたたいたり、隊員の両手を艦内の鋼鉄製ハッチで挟んだりする暴行を加えたほか、隊員の携帯電話を海中に捨てた、としている。横浜地検は被告の供述内容を明らかにしていない。

 昨年会見した総監部によると、1等海曹は海自の横須賀警務隊の調べに対し、「あくまで指導という認識だった。業務に向上が見られずフラストレーションが募り、こういう指導になった」と供述。警務隊が昨年9月、1等海曹を暴行と器物損壊の疑いで書類送検していた。

 男性隊員は3度にわたって、別の上司に1等海曹との関係を相談。自殺の前日には上司2人と1等海曹を含めた4者で面接を実施した。だが面接後にも、1等海曹は隊員にバケツを持たせたり、土下座をさせたりしたという。面接に同席した上司も、その現場を目撃しながら、注意せずに見過ごしていた。ほかの複数の隊員も、いじめやパワハラ行為を目撃しながら見過ごしており、艦長に報告されることもなかった。

 被告の刑事処分を受け、武居智久海上幕僚長は「命を絶った隊員のご冥福を心からお祈り申し上げる。いじめに対する組織としての厳しい姿勢を各隊員に示していく」とのコメントを出した。

 総監部は「遺族が個人の特定を望まない」として、隊員の階級や自殺時期、所属する艦名を明らかにしていない。総監部は今後、1等海曹や上司らに対する懲戒処分手続きを進めるとしている。

 
 

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