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時代の正体〈111〉自民党憲法漫画を読む(上)透ける個人主義の否定 

社会 | 神奈川新聞 | 2015年6月9日(火) 12:51

左から中山瑞穂さん、瀬田美樹さん、武井由起子さん
左から中山瑞穂さん、瀬田美樹さん、武井由起子さん

 自民党が党是である憲法改正をテーマにした漫画を制作した。タイトルは「ほのぼの一家の憲法改正ってなあに?」。若者や主婦層をターゲットに家族の日常を描きながら、改憲の必要性を説く内容となっている。自身も子育て中の弁護士に解説をしてもらいながら、母親たちに感想を語り合ってもらった。



武井 この漫画を読みどう思われましたか。
瀬田 一言で言って違和感。突っ込みどころが満載です。
中山 まず人物設定。一家5人で女性はお母さんだけ。ひいおじいちゃん、おじいちゃん、お父さん、2歳の息子と4世代すべてが男性って何を意味しているんでしょうか。
瀬田 しかも唯一女性のお母さんが知性に欠ける「愚か者」に描かれている。感情の起伏が激しく、「ぎょえ~」と叫んだり。

武井 冒頭から「私は不安で仕方がないのよ~っ、憲法改正なんて~っ」「戦争のできる国にする…なんて話も聞くじゃない?」と取り乱すところから始まっていますよね。
瀬田 こう描かれると、女性は「戦争反対と口にすると知性が疑われるかな」「お母さんが『平和について考えよう』と言うのはまずいことなのかな」と感じてしまうかも。
中山 憲法改正に反対すると「ちょっと感情的かしら」と自分を抑えてしまう人もいそう。
瀬田 お母さんは、常に周囲を気遣っているもの。「子どもが通う学校に何かを言われたら、その通りにするべきかしら」「近所で浮いた存在にならないように」「こんな活動したら夫の仕事に影響しないかな」と。そうした弱みをこの漫画は突いている。
中山 一方で、ひいおじいちゃん、つまり年長男性の発言に重きが置かれている。自民党の復古的・保守的な女性観、家族観がよく表れているようです。
武井 漫画の中で、お父さんが「みんながワガママを主張したら社会は壊れちゃう」と言い、ひいおじいちゃんが「今の日本の憲法は個人主義的といえるのぅ」とうなずく場面があります。
瀬田 個人という概念を否定しているように聞こえる。一人一人が尊重されることが大切なことのはずなのに。
武井 個人主義は「周りを気遣えない」ものとして否定的に描かれていますが、個人主義という言葉は本来、多義的。憲法でいう個人主義は、そういう人格の尊重を意味するものです。そもそも、憲法は国民一人一人の権利が守られるためにあるということを押さえないといけない。

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