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「伝統よりも浸透を」 神奈川県弁護士会へ改称

社会 | 神奈川新聞 | 2015年6月1日(月) 03:00

 半世紀近くにわたった横浜弁護士会の改称論争が、来年4月から「神奈川県弁護士会」に改称することで決着した。法曹人口の増加で弁護士を取り巻く環境が厳しさを増す中、会名の誇る120年以上の伝統よりも県民へのアピール力を重視した形となった。司法に関する県民の幅広い需要に応えられるかどうかが、会の浸透を左右しそうだ。

 「県全域の人がアクセスできると分かってもらう必要がある」「弁護士は個人業務。イメージのためだけに100年以上の歴史を変える必要はない」-。5月25日に横浜市内で開かれた総会では、改称に対する賛否双方の立場から激論が交わされた。

 出席者と代理による投票結果では、改称への賛成票は可決要件である3分の2を上回る772票で、102票の反対票を大きく引き離した。改称の議案が有志会員から総会直前に提出され、現行名の存続派にとっては準備期間が限られたことも、大差のついた一因となった。

 横浜弁護士会の改称論争の歴史は古い。1968年に県職員から「県全体の弁護士会か」と尋ねられたことがきっかけだった。この際は「時期尚早」として提案は撤回されたが、その後も横浜以外の会員らは折に触れて改称を求めてきた。


横浜弁護士会の改称をめぐる歴史
横浜弁護士会の改称をめぐる歴史


 事有るごとに繰り返され、今回で4回目となった採決に、若手には「もう決着させたい」との空気が強まっていた。存続派の会員も「『横浜』にこだわるのは愛着の問題。法律家として現行名を続ける合理的な理由は見いだしづらい」と漏らした。

 改称を、弁護士の活動領域の拡充につなげようとする声もある。弁護士会は社会保険労務士などの他士業や県内自治体との連携を進め、司法サービスの向上に力を入れている。改称によって「県民へのアピール力が高まる」(ベテラン弁護士)と、県全域への活動の浸透や、県名を冠した名称が多い他士業との連携強化に期待を寄せる。

 身近な司法の実現に重要な地理的アクセスの向上も課題だ。多くの法律事務所は今も横浜地裁(横浜市中区)の周辺に集中しており、横浜市外に事務所を構える会員弁護士は全体の3分の1にとどまっている。

 ただ県内で市町村内に弁護士事務所のない「ゼロ地域」は、92年で21市町村(旧津久井郡4町含む)に上っていたが、現在は9市町村となった。2013年に開成町に事務所を開いた笠間圭一郎弁護士は「名称も大事だが、地域に根付く活動を地道に行い、弁護士が身近な存在となるよう努力しなければいけない」と話している。

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