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富士山噴火への備え 温地研の現場から<9>

社会 | 神奈川新聞 | 2015年5月29日(金) 10:45

 富士山は江戸時代の1707年に大きな噴火をした。宝永噴火と呼ばれるこの噴火では、神奈川県内全域で降灰があった。降灰の厚さは静岡との県境付近で60センチ、横浜でも10センチを超えた。

 宝永噴火は富士山が起こした最大級の噴火だ。次の噴火がこのクラスになる確率は、数%程度。まれな災害だが想像力を働かせて備えを考えよう。

 火山灰は降ったばかりの雪と比べ、密度が10倍以上ある。火山灰を取り除く大変さは雪かきの比ではない。解けてなくならないのも困る。

 厚いと屋根が落ちるかもしれない。木造住宅では、屋根の火山灰が厚さ30センチを超えそうなら避難した方がよい。だが、宝永噴火でも、降灰で死んだ人はいないらしい。過剰に心配する必要はないが、マスクやゴーグルをあらかじめ備えて、目や呼吸器を守りたい。

 江戸時代の被災者は農民が大多数。地域のつながり、食料や燃料の備蓄があった。昨年の大雪では集落や世帯の孤立、流通の停止が問題になった。火山防災も地域の連携と、家庭の備蓄が重要だ。

 噴火の際には気象庁が降灰予報を出す。ただ、降灰の厚さ予想が目安程度なのは積雪量の予報と似る。精度を高めるための研究が温地研でも進められている。
(温泉地学研究所主任研究員・萬年 一剛)

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