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川崎中1殺害、裁判員で真相解明へ 少年への配慮いかに 特性踏まえた審理重要

社会 | 神奈川新聞 | 2015年5月24日(日) 03:00

 川崎市川崎区の多摩川河川敷で2月、市立中学1年の男子生徒=当時(13)=が刺殺された事件が裁判員裁判で審理されることとなり、一般市民も参加する法廷での真相解明に期待がかかる。事件を機に少年法改正の是非が議論されるなど世論の関心も高まっているが、少年事件の専門家は「裁判所を中心とした関係者の理解と役割が重要だ」と、特性を踏まえた丁寧な審理の必要性を強調している。

 横浜地検は21日、事件に関与したとされるリーダー格の少年(18)を殺人などの罪で、18歳と17歳の少年を傷害致死罪でそれぞれ起訴した。検察、弁護側が争点を明確にする手続きを経て、横浜地裁で公判が始まる見込みだ。

 審理について日弁連子どもの権利委員会幹事を務める山崎健一弁護士は、「結果や行為の客観面のみに着目せず、少年の内面や抱える問題も十分に考慮してほしい」と求める。

 少年事件では虐待を受けたことなどの生育歴や発達上の障害などの要素が問題行動につながった場合が少なくない。だが、発達途上の少年は思考能力や表現力が拙いことが多く、事件の解明が困難なこともあるという。

 非公開の少年審判では、非行化の原因として生育歴や家庭状況などを家裁や少年鑑別所が調べた記録も参考にされる。ただ、法廷でのやりとりを重視する裁判員裁判では、こうした書面の記録を証拠として扱うことが難しくなっているという。山崎弁護士は「裁判員裁判でも専門的知識を持った人による鑑定などで、少年の問題を明らかにすることが重要。事件の本質に迫らなければ、社会として教訓を読み取る上でもプラスにならない」と強調する。

 被害者支援の観点からは、公開が原則の刑事裁判で審理が進むことを評価する意見もある。被害者や遺族が公判を傍聴したり、被害者参加制度を活用して被告に直接質問したりできるためだ。日弁連被害者支援委員会副委員長の武内大徳弁護士は「被害者側が知りたいことを多く得られることは望ましい」と話す。

 法廷の雰囲気が少年に与える影響にも考慮が求められそうだ。山崎弁護士は「傍聴人を含めた多数の大人に囲まれる中での審理は少年にとって相当な負担だ」、武内弁護士も「雰囲気に萎縮して少年が話せなくなれば、被害者側にとっても知りたいことが分からなくなり、本末転倒だろう」と指摘する。

 関係者によると、今回の事件は少年審判で少年3人に関与の度合いをめぐって主張の食い違いがあった。裁判員裁判でも慎重な判断が求められる中、両弁護士は法廷での弁護人の支援や、場合によっては周囲の視線を遮るついたてを用いるなど裁判所の配慮が重要としている。

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