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南海トラフ巨大地震 揺らぐ過去、予知も見直し

社会 | 神奈川新聞 | 2016年12月21日(水) 10:18

南海トラフ沿いの地震発生間隔
南海トラフ沿いの地震発生間隔

 歴史上、最後の南海トラフ地震である1946年の「昭和南海地震」から21日で70年となる。同トラフでは100~200年ごとに巨大地震が繰り返してきたとされるが、発生履歴の再検証で一部の地震が南海トラフ以外で起きたとの見方が浮上し、定説の信ぴょう性が揺らぎ始めている。今後30年以内の地震発生確率は70%と高いものの、切迫しているとしてこれまで警戒されてきた「東海地震」を巡っては、国を挙げた予知体制の見直しが進んでおり、調査も対策も道半ばだ。

 静岡以西に延びる南海トラフでは、記録に残る最古の「白鳳地震」(684年)以降の約1300年間で9回の地震発生サイクルが確認されている。

 その最後である1946年12月21日の昭和南海地震は紀伊半島沖が震源。地震の規模を示すマグニチュード(M)は8・0だった。南海トラフの地震としては規模が小さいが、2年前の44年に東側で起きたM7・9の「昭和東南海地震」が引き金になって発生したとみられる点が特徴的だ。

 こうした巨大地震の「連動」は、南海トラフでは珍しくない。

 昭和の2地震の一つ前だった幕末の1854年には「安政東海地震」の30時間後に「安政南海地震」が発生。さらに前の1707年に起きた「宝永地震」は、同トラフのうち東海、東南海、南海の地震領域に当たる静岡沖~高知沖が同時に動く最大級の地震だった。

 多くの専門家が危惧するのは、安政から昭和までの発生間隔が90年と短かった上、昭和の2地震の規模が小さかったことだ。地震を起こすエネルギーが十分に解放されていないと考えられ、「2030年代には地震発生の可能性がかなり高まる」との見方が強い。

 東大地震研究所の古村孝志教授は、遠くはない「次」を見据えて言う。「昭和のようなタイプの地震か、あるいは宝永のように一度で起きる地震なのか。何らかの形でその姿を示したい」。未来を読むため、過去をどうひもとくか。模索が続いている。

 南海トラフで1707年に起きた宝永地震は震源域が極めて広く、

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