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“塩漬け”状態解消へ 市営地下鉄新羽車両基地

社会 | 神奈川新聞 | 2015年5月11日(月) 03:00

1階と屋上の活用を目指している横浜市営地下鉄の新羽車両基地。2階には電車が停車している=同市港北区
1階と屋上の活用を目指している横浜市営地下鉄の新羽車両基地。2階には電車が停車している=同市港北区

 約20年間使われず“塩漬け”状態にあった横浜市営地下鉄の新羽車両基地(同市港北区北新横浜)の1階と屋上計約4万5千平方メートルの活用に向け、市が本格的に動き始めた。2015年度予算に、調査などの準備費約2千万円を計上。近年の景気回復に加え、駅や高速道路の出入り口の新設が追い風になるとみており、市交通局の担当者は「長年の課題だったが世間の関心が高まっている今、地元の活性化につながるよう全力で取り組む」と話している。

 同局によると、基地は1996年、市営地下鉄ブルーライン(あざみ野-湘南台)の北新横浜駅近くの市有地に約420億円をかけて完成。2階(約3万6500平方メートル)は車両倉庫や点検・整備・清掃場などとして利用しているが、1階(約3万6500平方メートル)のうちの約2万2500平方メートルと、屋上(約3万1100平方メートル)のうちの約2万2500平方メートルはこれまで利用したことはない。昨年10月に一部を市のイベントで使用した程度だ。

 地元住民から地域活性化の要望を受けていた市は当初、新横浜駅周辺のハイテク産業と連動した研究開発機能などが集積する地区としての活用を計画。1階をオフィスや研究施設などに、屋上にはビルを建てるなどして利用する考えだった。しかし、バブル崩壊による景気低迷など社会情勢の変化で頓挫した。

 さらに2000年度には、阪神大震災(1995年)の影響で建築基準法が改正され、屋上へのビル建設が大きく制限された。また、将来ブルーラインを延伸(あざみ野-新百合ケ丘)した場合には増加車両分の基地が必要となるなど、市側の事情も“足かせ”となり、事業者との契約には至らなかった。

 その後もスポーツ施設の建設や屋上太陽光パネルの設置といった計画が持ち上がったが、市の採算が取れる形での具体的な計画には発展しなかったという。

 しかし、近年は景気が上向いてきたことに加え、神奈川東部方面線の新横浜駅(仮称)の設置や横浜環状北線の新横浜出入口(仮称)開設などが好材料となり、13年度末ごろから業者の問い合わせが入るようになった。これまで10社ほどが現地見学などを実施。商業施設や物流拠点、車置き場などの構想があるという。

 市は年間貸付料5千万円を目標に掲げ、15年度予算に基地活用に向けた準備費として1944万円を計上した。同局の担当者は「本年度中に基地を貸し付けるための鑑定評価などを行った上で公募を実施し、16年度からの事業化を目指す」と話している。

 
 

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