川崎特産の農産物「のらぼう菜」の普及やブランド力向上に向けて、川崎市農業技術支援センターと明治大、県農業技術センターの3者は7日、共同研究をスタートさせると発表した。より味のよい品種や鮮度保持、品質の安定方法などを研究し、結果を生産者に還元して高付加価値ののらぼう菜を市場に出していくのが狙い。研究結果など知的財産を管理活用するため、市農業技術支援センターの知的財産ポリシーも策定した。
共同研究は、のらぼう菜の品質特性の解明と栽培技術確立が主なテーマ。▽品種系統の解析を通じた、食味のよい系統の選抜▽栽培条件や方法の違いによる生育と収穫量への影響▽しおれやすい性質に対応した鮮度保持法▽ブランド化に向けた品質安定への品質基準と栽培マニュアルの作成-などの研究を2018年3月末まで行う。研究結果は生産者に提供し、供給拡大や栄養価の高い新鮮な農産物の流通を目指す。明治大農学部が多摩区の生田キャンパスにあることから連携が決まった。
福田紀彦市長は「お互いの得意分野を生かして、よりおいしいのらぼう菜を市民らに提供していきたい」と話している。
のらぼう菜は多摩区菅地区で江戸時代から栽培されているアブラナ科の郷土野菜。おひたしなどにして食べられることが多い。
また今回、市は農業技術支援センターでの発明や研究成果などの知的財産の管理・活用体制を強化するため、知的財産ポリシーを定めた。市立の農業試験場としては初めてという。今回の共同研究の成果なども知的財産として取り扱っていくという。