目標は2億7千万円
米国での心臓移植を希望する親友の娘を支援しようと、藤沢市在住の村瀬のり子さん(42)らが立ち上がった。渡航と手術に必要な2億7千万円を集めるため、県内で募金活動をスタート。「関係者で賄える額ではなく、皆さんの善意にすがるしかない」と協力を呼び掛けている。
心臓移植を待つ少女は、静岡県富士市の小学1年生吉岡奈緒ちゃん(6)。奈緒ちゃんの母陽子さん(43)と村瀬さんは中学と高校の同級生で、一緒にソフトボールに打ち込んだ仲だった。
奈緒ちゃんは昨年6月、心臓の筋肉が炎症を起こし収縮運動が低下する劇症型心筋炎を発症、現在も都内の病院に入院している。補助人工心臓を装着しているが、この機械は血栓ができやすく、奈緒ちゃんも脳梗塞を引き起こしてしまった。今後も再発のリスクがあり、一刻も早い心臓移植が必要な状況という。
米国・コロンビア大学病院で受け入れのめどが立ち移植を決意した両親は、親友たちと救う会を結成して今年3月から静岡県内で募金活動をスタート。村瀬さんら関東地方に住む親友グループも当初は静岡に駆け付けていたが、支援の輪を広げるため神奈川で活動を開始した。
4月29日には、第1弾としてJR辻堂駅北口(藤沢市)で街頭活動を実施。手製の募金箱を首から下げ、奈緒ちゃんの病状の書かれたチラシを配りながら買い物客に協力を求めた。
「まだまだこれから」 村瀬さんによると、活動開始から約1カ月間で約7600万円が集まった。村瀬さんは「ようやく残り2億円を切った段階で、まだまだこれから。目標期間は3カ月なので、できるだけ多くの人に活動を知ってもらえるよう頑張りたい」と話している。
活動は、2日と5日にも辻堂駅北口で実施。16、17の両日は小田急線本厚木駅北口でも行う。時間はいずれも午前11時から午後4時まで。問い合わせは「なおちゃんを救う会」電話0545(35)5776。