勤務先のNECグループ会社から約8億円を横領したとして、業務上横領の罪に問われた住所不定、ネッツエスアイ東洋の元社員谷川幸央被告(51)の判決公判が1日、横浜地裁であり、大森直子裁判官は懲役9年(求刑懲役12年)を言い渡した。
大森裁判官は「被害金額は相当巨額。発覚を免れるために会計帳簿を操作するなど立場を悪用し、巧妙で悪質な犯行」と指摘。ほぼすべてを競馬や宝くじなどに使い、自身の借金の返済に充てようとした動機について「身勝手というほかない」と述べた。
約3年10カ月にわたって被害に気付かなかった会社側の管理体制についても「不十分と指摘せざるを得ない」と言及した。
判決によると、被告は2010年1月から13年11月にかけて、NECグループ会社の経理部財務マネジャーとして、勤務先名義の小切手を現金化し、約8億4千万円を横領した。